業界で働くことのメリットとデメリット

IT業界のデメリットは、定年まで働くことが非常に難しい点にある。一般の企業のように、新卒採用をされてから定年までずっと、一つの会社の一つの部署で働き続けるということはほぼ不可能なのだ。そもそも会社が数十年も存続できるか不透明である。割と大きな会社でもすぐになくなってしまうことがあり、その場合、社員は別の会社に移動をすることとなるのだ。転職の回数は自動的に多くなってしまう。会社が存続をしていても、プロジェクトごとに職場変更をするケースも多いだろう。それだけ人材の流動性が高い業界なわけだ。こうした点はある人にとってはデメリットになるだろう。

しかし逆に、これをメリットだと考える人もいる。考えようによっては、転職が多く行われて定年まで一つの場所に留まれないということは、メリットになり得る。なぜなら、それだけ頻繁に職場変更をしても不自然ではないということだからだ。一般の会社では一回でも職場変更をしているとマイナス評価を下されることもあるが、IT業界ではそうしたケースは少ない。転職回数が多くなっても特に損をすることがないので、自分に合った職場を探しやすい。

人間関係が悪化したからという理由ですぐに別の職場に移動をすることも可能になる。一般の会社では、人間関係が悪化したとしてもすぐに逃げ出すことは難しいだろう。職場変更には大きなリスクが潜んでいるので、多少の人間関係の不満も我慢をする人が多いのである。